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★ タイ・ジャム島~アクシデント の事~

(以下、また、かなり無駄に長いよ)

フィッシャーマンズヴィレッジを後にし、
バイクの走りは快調である。

出発したノースビーチから、島の中央部までは、
基本的に山の中を抜ける道となる。
所々、ゴムの林の中を進み、日陰に囲まれた道にさしかかると、
かなりホッとする。

紅土の道はかなり手強い。相変わらずである。
深くえぐれたり、露出した大きな石ころが散乱したり、
ゆっくり走れば良いのだが、気が抜けない。

日中と言う事もあるだろう、同様に、バイクをレンタルした
ツーリスト、ごく稀に、ローカルの若者以外、
他に走る姿も見かける事は無い。
そもそも人の住む気配が無い。


しばらく走ると、民家が、ポツリ、ポツリと、
そんな光景に変わる。
そして、もうしばらく走ると、民家が密集し始め、
雑貨屋なんかも目にする事が出来る。
ちょっとホッとするが、そんな光景は、あっという間に
走り過ぎてしまう。

要所要所によっては、村、とは行かないまでも、
雑貨屋が数軒あり、食事が出来そうな店があり、
それなりに人が固まり、生活を営んでいる光景も
見る事が出来る。
交通量も勢い増える。
バイク、小型のトラックなんかが行き交う。
増えるとは言っても、大したもんじゃ無いんだけどね。

そんな景色をいくつか見た後だったろうか、
何となくバイクの調子が変なのだ。
はっきり言って、バイクの事は良く分からない。
道の具合も最悪である。
そもそも、バイク自体、うさんくさい。

書き忘れたが、路上教習の際、後輪ブレーキしか
機能しない事が発覚した。
ナットさんは、叩いたり、蹴ったりしていたが、
まあ、使えないから、との説明だった。

道の具合が悪いため、後輪が流れる事がしばしばあったが、
ここに来て、それが頻繁に起きる様になった。
ゆるい土、崩れやすい小石のせいかな?
なんて思っていた次第。

辺りは、村に近づきつつある場所。
ふら付きながら走るうちに、数台のバイクに追い越され、
1台のバイクにも追い越された。
そのバイクを見て、驚いた。
何と、小学生くらいの子供が運転し、おまけに3人乗りである。
まあ、こう言ったこの島の状況、バイクなんて、
格好の足(遊び道具?)なんだろう。
日本ではあり得ないが。

でもって、そのバイクの子供達が、こちらを指差し、
口々に囃し立てながら、追い越して行ったのだ。

これは、ちょっとムカついた。

そりゃ、君らは小さい頃から乗り慣れているかも知れないが、
なんだかバイクは言う事を聞かないし、
こっちは必死なんだぞ!と。

ムカつきながらも前に進むのであるが、いよいよバイクが
言う事を聞かなくなって来た。
それまで以上に、後輪が大きく滑り始めたのである。

木陰があったので、一休み。
ちょっと確認して見た。

パンクしていた・・・

それで全てが分かった。
まあ、うさんくさいバイクであるが、後輪が言う事を
聞かなかった訳。
そして、あの少年達は、パンクしている事を、
教えてくれていたのである。

何て、良い子達ではないか。
ちょっとムカついた、なんて書いたけど、
決して本心ではない。
君達、分かっているとは思うが。

さて、どんなもんか?
ちょっと先に、トラックの荷台で、ごそごそやっている
若者が居たので、バイク屋の所在を聞いたのだが、
これが要領を得ない。
なんだか訳の分からぬ答えで、ちんぷんかんぷんである。
って、その前に、こちらの質問が分かっているのか?
話にならぬ。

ここに来る前に、ちょっとした集落があった。
まあ、この若者よりは、何とかなるんじゃないのか?そこは。

そこまで10分程戻る事になろうか。
タイヤの事を考えれば、乗らずに、押して行くのが
賢明ではある。
が、この暑さ、バイクで10分の距離である、
人命第一。
タイヤは二の次なのだ。
決して面倒な訳では無い。
と言う事で、ふらふらと引き返したのであった。

ふらふらと走る内に、目指す集落に着いた。
集落と言っても、50mも走ればおしまい。
着いたところで、バイクが直る保証は無い。
バイクを直せる店を聞く為に、ここに来た訳である。

誰か、まともに話が出来る人は居ないかな?
と走りながら探したのだが・・・
こんな集落は、あっ!と言う間に終わってしまう。

雑貨屋が1軒あった。
店の端っこに、いくつかバイクのタイヤが転がっている。
ひょっとしたら?

店先で、暇そうにしていたおやじが居たので聞いた所、
勿論バイク修理が可能らしい。
と言うか、聞く前に、改めて店の様子を見た時点で、
何となく分かるくらい、バイク修理が出来そうであった。

値段を聞いたところ、100Bらしい。
バイクの事は良く分からぬが、パンク修理が、
日本円で300円程である。
安いではないか。
かなり良心的ではないか。

真剣な表情で、修理を始めたおやじは、
タイの良心とも言える。
無口で、真剣なその表情は、仕事一筋!
と言った職人の姿すら感じる。

修理は、困難を極めている様である。
が、眺めていても仕方が無い、タイの良心おやじに任すまで、
である。
途中、おやじだけではラチがあかず、
息子とおぼしき若者も登場し、叩いたり、
引っぱたいたりしていたが、ここはタイの良心親子に
任すしかないのである。

隣にある雑貨屋の方は、と言うと、
そのまんま雑貨屋である。
お菓子と、使い果たした日焼け止めを買い足した様な
気がするが、どうでも良い事なので定かではない。

修理は予想以上に複雑であった様だが、
タイの良心親子の技ゆえか、10分程度で終了した。
ありがたい事である。

バイク屋を後にし、再び走り出したバイクは絶好調!である。

南端のビーチに向かうまで、途中のビーチも
覗くつもりであったが、そんなこんなで、
かなりの時間をロスしてしまった。
慣れないバイク、荒れた道を走る上で、
日没までにはバンガローに帰りたい。
暗闇を、ライトを付けてまで走りたくは無い。

ちゅーか、そもそも、ライトは付くのか?このバイク。

と言う訳で、一路、南端のビーチを目指したのであった。





ちなみに、帰ってからナットさんにパンクした事を報告しておいた。
まあ、借りたもんであるから、当然ではある。

修理にいくらかかった?と聞かれたので、
良心おやじ価格である、非常に安く、
100Bだったと言うと、大笑いをし、
そりゃ高いよ!僕が修理を頼むと、
30B、25Bくらいかな?
それはボラれたね。

何だとー!
何が職人の姿だ。
う~む、どこがタイの良心なんだ。
真剣に作業をしていた表情では無く、3倍以上も吹っかけて、
単にドキドキしていたんじゃないのか?
って、言値で頼んだこっちも悪いが・・・

まあ、こんな事もあるから、タイの旅は止められない。

のか?
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